熱処理の豆知識
ちょっと難しいが、がまんして聞くのじゃぞ!
鉄は911℃を超えるとγ鉄に変態し1392℃までは安定したγ鉄の状態で存在するのじゃよ。 γ鉄の状態では鉄の結晶の隙間に鉄原子より小さな原子(酸素、水素、窒素、炭素)が 侵入する事が出来るようになるんじゃ。
密封された炉の鋼材と浸炭剤(木炭)を入れて850~950℃に加熱すると炉内では存在した 酸素と浸炭剤が反応し、COを生じ、このCOが鋼材の表面で分解し、生じたCは鋼材表面に浸透拡散するのじゃよ。それに、CO2は浸炭剤で再びCOになり、以下同じような反応を繰り返しておるのじゃ。
このように浸炭作用はCOガスによっておこなわれておるのじゃ。
化学反応は、次のようなもと考えられておるのじゃ
- 2C+O2 ⇒2CO・・・木炭の表面(初期)
- 2CO⇒{C}+CO2・・・鋼材の表面
- C+CO2⇒2CO・・・木炭の表面
- (浸炭促進材として炭酸バリュウム(BaCO3)を加える)
ちょっと難しかったかのう?