プラスチックの豆知識
プラスチックとは
プラスチック(Plastic)という言葉は、ギリシャ語に語源をもつ英語「plasticity(可塑性)」からきています。プラスチックという名前が使われはじめたのは、1920年頃からと言われています。 この可塑性という言葉の意味は、力を加えると変形し、力を取り去ったあとも、その変形した状態がそのまま残る性質のことを言います。プラスチックの定義は、「人工的に合成された有機高分子物質を主原料として人工的に有用な形状に形づくられた固体である」と言われています。現在使用されているプラスチックは、ほとんどが石油から合成された高分子化合物です。
簡単に言うとプラスチックとは
「物質同士をつなぐ手を持った物質(モノマー)に、熱や圧力などを加えてたくさん手をつなくことで強靭な物質(ポリマー)になり、そこへ必要に応じてその性質を変える「添加剤」を加えてできたもの」じゃ
プラスチックの分類
熱硬化性プラスチックと
熱可性プラスチック
プラスチックを大きく分けると「熱硬化性プラスチック」と「熱可性プラスチック」の2種類に分けられます。
- 熱硬化性プラスチック
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成形時に熱によって軟化し化学反応により固化する。
その後加熱しても軟化したり融けないプラスチック。
例:フェノール樹脂(PF) エポキシ樹脂(EP) シリコーン樹脂(SI)など - 熱可塑性樹脂
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加熱すると軟化して加工できるようになり冷却すると固化する。
また加熱すると軟化し繰り返し使用可のプラスチック。
例:ポリプロピレン(PP) ポリアセタール(POM) ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)など
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おやつで例えてみると分かりやすいかのう
結晶性プラスチックと
非結晶性プラスチック
熱可塑性プラスチックには、結晶構造を持っているかいないかの違いで「結晶性プラスチック」と「非結晶性プラスチック」があります。溶融状態から一定の温度に低下し固化するときに、結晶性樹脂と非晶性樹脂では、分子の停止状態に違いが出ます。
- 結晶性プラスチック
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非晶性樹脂のように分子が絡まりあった状態の部分と、規則正しく配列し結晶化した部分が混在している。結晶化している部分の量を結晶化度で示し、結晶化度が高いほど硬度、弾性率強度などが向上する。
例:ポリプロピレン(PP) ポリアセタール(POM) ポリアミド(PA)など
- 非結晶性プラスチック
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分子主鎖に無秩序に側鎖がついていたり枝分かれや架橋があり、無定形状態にある高分子。 無定形状態には、硬いガラス状態と柔らかいゴム状態などがあり通常透明性にすぐれる。
例:アクリル樹脂(PMMA) ポリカーボネート(PC)など
プラスチックの種類
エンプラとは
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どうしてエンプラはできたの?
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大量生産に対応するために、金属部品への代替手段として、軽くて加工が簡単で安い素材のエンプラが開発されたのじゃよ。エンプラが普及すると、ますますプラスチック部品のニーズが高まり、より高性能なスーパーエンプラが開発されたのじゃ!
熱可塑性プラスチックの種類
熱可塑性プラスチックは耐熱性の度合いで、汎用プラスチック 、汎用エンジニアプラスチック 、スーパーエンジニアリングプラスチックの3分類します。
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- 汎用プラスチック(一般的)
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耐熱性能が100℃程度で樹脂価格が比較的安く加工もしやすい一般的な熱可塑性プラスチックのこと。
例:ポリプロピレン(PP) アクリル樹脂(PMMA) ABS樹脂(ABS) ポリエチレン(PE)など
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- エンジニアリングプラスチック (エンプラ)
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機械的強度や耐熱性に優れ、主に高い性能の求められる工業用部品などに使われる樹脂、価格も汎用プラスチックに比べ相当高価。
※正式な定義はないが、一般的に引張強さが49MPa以上、曲げ弾性率が2.35GPa以上、耐熱変形の温度と耐熱劣化の温度がともに100℃以上
例:ポリアミド(PA) ポリカーボネート(PC) ポリアセタール(POM)など
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- スーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)
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エンプラよりも更に高い熱変形温度150℃以上にも、長期間使用できる特性を持つ熱可塑性プラスチックのこと。
例:ポリエーテルエーテルケトン(PEEK) ポリアミドイミド(PAI) ポリイミド(PI)など
プラスチックの連続使用温度と価格
汎用プラスチックからエンジニアリングプラスチック(エンプラ)、スーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)になるにつれて、機械強度が上がったり、高い耐熱性を必要とする部品に使用できるようになるのじゃ。
同時に価格も上がるから、使用用途に応じたプラスチックの種類を選ぶようにするとよいぞ。